Japanese
English
特集 脳の発達に関与する分子機構
鳥類神経系のパターン形成に関与するIrx遺伝子群
Brain development and Irx genes
松本 健
1
,
小椋 利彦
1
Ken Matsumoto
1
,
Toshihiko Ogura
1
1奈良先端大学院大学バイオサイエンス研究科動物代謝調節学講座
pp.210-215
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902271
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脊椎動物の脳は記憶,学習,情動などの様々な高次機能を生み出す究極の並列回路といっても過言ではない。このような複雑な脳も単純な神経板を原基として発生する。二次元に展開されていた神経板のシート構造は時間を経て三次元の神経管構造へと構築され,さらに屈曲,突出などの形態変化を遂げる。これらの過程は転写因子,成長因子,細胞接着因子などが細胞の増殖,分化,細胞死といった多様な局面を調節することにより成し遂げられる。特に前脳,中脳,後脳の前後軸にそった脳の領域化には位置情報を担う転写因子が重要な役目を果たしている。そのためわれわれはIroquoisと呼ばれる転写因子に着目し,ニワトリ胚にて機能解析を行っている。本稿ではニワトリのIroquois遺伝子Irxの機能を中心に,最近の中枢神経系のパターニングに関する知見もあわせて報告する。
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