論述
冷血動物心臟の新陳代謝測定装置
橋本 虎之
1
,
額田 煜
2
1東大藥理學教室
2藥理研究會研究所
pp.126-129
発行日 1949年10月15日
Published Date 1949/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905468
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Ⅰ 序
心臟の物質代謝に關する研究は1912年London大學Starlingの教室からKnolton及Starling1),Evans2)等の發表があつて以來約20年間に主に同教室及その門下の間で續けられ,此の方面の生理學生化學領域にめざましい業績を殘すに至つた。この研究過程に温血動物の心肺標本3)人工肺による心臟標本4)冷血動物心臟の代謝測定装置5)が次々と考案され──是等の業績は既に成書になつて居る6)7)──その後の研究方法も是等に大體準じて居る。その間一般新陳代謝に關する研究成果が,此の方面にも取り上げられて今日に至つた。挽近糖質,脂質,蛋白質の代謝に關する新しい知見も増加して行き,研究方法も新しくなつて來たので吾々は是等の成果を取入れながら心臟機能を機械的動作と電氣的現象と新陳代謝状況とを出來るだけ綜合的に觀察し度いと思つて研究を開始した。この様な研究は裝置そのものに依存する事が多いが色々苦心した擧句どうやら滿足の行く裝置が出來たので紹介しようと思ふ。
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