特集 核内蛋白質
特集によせて
藤田 道也
1
Michiya Fujita
1
1浜松医科大学生化学第二講座
pp.528
発行日 1989年10月15日
Published Date 1989/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905381
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この10年弱における分子生物学あるいは分子遺伝学の巨大な進歩はかつて細胞生物学で後光を放っていた核という細胞小器官をまるですっかり色褪せた骨董のごとぎ存在にしてしまった。
cDNAから始まってゲノムDNAの塩基配列解析,そのホモロジーに基づくタンパク分子系統の再編成あるいは進化における相互関係の整理,エンハンサーという概念および実体とその塩基配列の解析,また本質的には同じ問題である発達段階と組織に特異的な遺伝子発現の調節,それとからんだプレメッセンジャーRNAのオールターナティヴ・スプライシング,遺伝子治療の基礎技術としての部位特異的組替え,ヒトの全ゲノムの塩基配列解析……等々,数え上げればまだまだあるであろう。
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