Japanese
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特集 生体運動の分子機構/研究の発展
アメーバ運動
Molecular aspects of amoeboid movement
黒田 清子
1
Kiyoko Kuroda
1
1大阪大学理学部生物学教室
pp.130-133
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905115
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アメーバ運動とは,細胞質の動きに伴って体形を変えながら移動する運動を言う。種々の培養細胞も,体長10μm前後の小型土壌アメーバAcanthamoebaや細胞性粘菌Dictyosteliumも,体長300μmから数mmにおよぶAmoebaやChaosのような巨大アメーバも,さらには真性粘菌Physarumの変形体をも含めて,大多数の細胞がアメーバ運動をする。しかし細胞の大きさ形態が違うように,運動様式もそれぞれまったく異なっている。
分子レベルでの研究は,生化学的に取り扱いやすいPhysarumの変形体,Acanthamoeba,Dictyosteliumを材料としたものが多い。これらから得られた知見は巨大アメーバにもあてはまるものが多く,収縮の分子機構はいずれもアクトミオシン-ATP系によるものと考えられている。しかし,それぞれの運動様式や種に対応して運動蛋白質には少なからぬ多様性があることが次第にわかってきた。
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