増刊号 眼感染症の傾向と対策—完全マニュアル
Ⅲ.疾患別:診断・治療の進め方と処方例
4.角膜疾患
アカントアメーバ角膜炎
石橋 康久
1
,
加治 優一
2
1筑波病院眼科
2筑波大学医学医療系眼科学
pp.204-211
発行日 2016年10月30日
Published Date 2016/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212044
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POINT
■非常に難治である。特に初期で治療に成功しない症例や,移行期,完成期で初診した症例は注意が必要である。
■特異的な治療法は確立されていない。
■CLによるものが,全体の85〜90%を占める。それらの例は,CL保存ケースの汚染が原因である。しかも使用している消毒剤の効果が,煮沸消毒,コールド消毒,MPSと次第に弱まったため,アメーバがケース内で増殖し,CLに付着し角膜の傷から侵入して感染する。
■現在のところ,筆者らが提唱した,角膜掻爬,抗アメーバ効果のある薬剤の点眼,抗真菌剤の全身投与を組み合わせた,3者併用療法が最も有効である。
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