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実験講座
ポジトロンCTの脳研究への応用
Study of the human brain by positron emission computed tomography
田崎 京二
1
Kyoji Tasaki
1
1東北大学医学部第二生理学教室
pp.69-74
発行日 1986年2月15日
Published Date 1986/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904831
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ポジトロンCTというのは人体に適用した定量的オートラジオグラフィーということができる。ふつうのオートラジオグラフィーでは,3Hや14Cなどでラベルした生活活性物質を動物に投与して体内の局所に取り込ませ,放射線の写真作用を利用して放射線源を検出している。しかし3Hとか14Cなどから出る放射線は組織透過力が弱く,十分な感光作用をえるためには,感光膜を放射線源に密着させなければならない。したがって生体を薄い切片として用いることになる。
オートラジォグラフィーをヒトにまで適用するには,組織透過力が大きく,半減期の短い放射性同位元素(RI)が必要である。短半減期は放射線被曝を少なくするための重要な条件である。これらの条件をみたすRIには,γ線を放出するものと陽電子(ポジトロン)を出すものの2種がある。このようなRIを人体に与えてから,体外で放射線を検出し,コンピュータ処理によって,人体の一つの横断面内のRI分布を再構成すれば,その面についてオートラジオグラムがえられたことになる。この方法を放射線コンピュータ断層法(emission computed tomography,ECT)という。γ線放出型のRIを用いるものを単一光子断層法(Single photon emission computed tomography,SPECT)という。このように呼ばれるのは,γ線は1度に1個の光子として放出されるからである。
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