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特集 神経科学実験マニュアル
実験動物取り扱い法
軟体動物(ヤリイカ)
Squid
松本 元
1
Gen Matsumoto
1
1電子技術総合研究所電子計算機部アナログ情報研究室
pp.259-261
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904734
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■ はじめに
ヤリイカは巨大神経軸索と巨大シナプスをもつこと(図1)でよく知られている。このため古くから神経生理学実験に欠かせない動物として用いられてきた。ヤリイカを用いる実験にかかわる問題点は,ヤリイカを通年にわたって定常入手することの困難とヤリイカ実験を行う場所に関する制約であった。すなわち,実験が行える時期的制約と実験を行う場所の制約が常にヤリイカ実験に伴っていた。時期的制約はヤリイカがある漁場で釣れる期間が1年のうち約3ヵ月程度であることにもよるが,ヤリイカが実験室の水槽で飼育できないということが主因である。水槽内飼育が可能であれば季節の異なる全国各地のヤリイカの漁場から生きたヤリイカを運ぶことにより時期的制約は取り除かれる。場所的制約もヤリイカの水槽内飼育が困難であったため生きたヤリイカを運んで海から遠く離れた内陸部にある研究所で研究することができず,止むなくヤリイカのとれる臨海実験所に研究者が実験装置をもって行かざるを得なかった,という事情によっている。ヤリイカ実験のためにおおいに機能している臨海実験所として有名なのが,Woods Hole(米国,マサチュセッツ州)とPlymouth(英国)にそれぞれある海洋生物学研究所である。
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