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特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
DNAに作用するもの
マイトマイシンC
Mitomycin C
塚田 欣司
1
Kinji Tsukada
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所病態生化学部門
pp.576-578
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904678
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■構造と特性
マイトマイシンは,1956年に初めてHataら1)によって,Streptomyces caespitosusより生成される抗生物質として報告された。マイトマイシンAとBが最初に結晶として取り出され,1958年に,WakakiらによってCが結晶として分離された。1961〜1962年にかけてDeBoerらやLefemineらによって,類似の構造を持つポルフィロマイシン(porfiromycin=N-methyl-mitomycin C)とミトロマイシン(mitromycin=N-methyl-mitomycin A)がそれぞれ同定され,その後Webbら2)により構造が解析された。その結果"mitosane"を共通の骨格として有しており,①aziridine ring(1-1a-2),②amino-or methoxy-benzoquinone(5a-5-6-7-8-8a),③pyrrolizine configuration(1-2-3-4-5a-8a-9-9a),と④a methylurethane sidechain(10-10a)を含んだ構造を示している。図1にマイトマイシンCの構造を示しているが,AはCの7のNH2がOCH3に,またBは,Cの7のNH2がOCH3に,9aのOCH3がOHに,1aのNHがCH3にそれぞれ置換した構造式を示している。
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