話題
「後ブドウ膜腔」は存在するかD. E. Kelly教授の問題提起
外崎 昭
1
Akira Tonosaki
1
1山形大学医学部解剖学1講座
pp.309-311
発行日 1984年8月15日
Published Date 1984/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904602
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§1.少し長いプロローグ
去る4月3日から5日まで,第89回日本解剖学会が東北大学教養部を会場として開かれた。4日午後の川内記念講堂における全体会では,森 富教授(東北大学)の会頭講演「胸腺で何が起こっているのか」,D. E. Kelly教授(南カリフォルニア大学)の特別講演「New finestructural evidence concerning ocular compartmentation and outflow(眼の空間区分と通液路に関する新しい構造的証拠)」,そして山田致知教授(金沢大学)の特別講演「脊髄神経における分節系列の考察──外側皮枝を中心に」が行われた。森,山田両教授の講演については他に紹介される機会が多いであろう。ここではKelly教授の提起された問題を,私見をまじえながら紹介したいと思う。
Kelly教授は1932年生まれの51歳。1966年京都国際会議場のコケラ落としとなった第6回国際電子顕微鏡学会議に参加するため,州立ワシントン大学(シアトル)準教授在任当時に初来日して以来,これが2度目の来日であった。日本学術振興会外国人招聘研究者として,Kelly教授の古い友人である山本敏行教授(東北大学),浜清教授(国立生理学研究所),永野俊雄教授(千葉大学)らの招きに応じたものであった。
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