特集 成長因子
特集「成長因子」によせて
山根 績
1
Isao Yamane
1
1東北大学抗酸菌病研究所
pp.346-347
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903557
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Growth factorなる言葉は元来微生物に対する増殖因子として用いられたものである。すなわち無機塩やアミノ酸ではなく,たとえばパラアミノ安息香酸のように,極く微量で特定の細菌の増殖を支配するような物質をgrowth factorまたは細菌ビタミンと称したことが,この用語の使用のおこりである。
しかしこの言葉を培養細胞に対して用いるようになったのは,主としてGordon H.Satoらがgrowth factorを含む無血清培地を数多く開発して以来のことであると言っても差し支えあるまい。ところが培養細胞に対するgrowth factorを増殖因子と訳すべきか,成長因子と訳してよいか,しばしば困惑することがある。
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