話題
リン酸化カスケード仮説の真偽
林 正男
1
Masao Hayashi
1
1筑波大学生物科学系
1Section of Membrane Biochemistry, Laboratory of Molecular Biology
pp.463-466
発行日 1981年10月15日
Published Date 1981/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903499
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アメリカ東部,首府ワシントンD. C. 郊外の町ベセスダにあるNIH(National Institutes of Health)にきて1年半余り,全米をゆるがしている最近の「話題」を紹介したい。
まずNIHとは,全米の医学生命科学研究開発費の43%(31億ドル)を費やすアメリカの医学生命科学研究開発の総元締めで,12の研究所,1つの病院,その他で構成されている(林・嶋武:生物物理,114:44,1981)。その中の最大の研究所,国立ガン研究所(National Cancer Institute)に私の所属する総勢93名(1981年8月1日現在)のLab. of Molecular Biologyがある。チーフは50歳のユダヤ系アメリカ人Ira H. Pastanで,彼直属のグループの他に7つのセクション(セクション1つが日本の1〜3講座分)を抱えている。その1つMembrane Biochemistryセクションが私の所属する総勢6名のセクションで,チーフは日系3世の37歳になるケンことKenneth M. Yamadaである。細胞表面及び血漿中に存在する大きな糖タンパク質フィプロネクチンの研究では世界の5指に入る人である。
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