Japanese
English
特集 細胞機能とリン酸化
海馬LTPとタンパク質のリン酸化(仮説)
LTP in the hippocampus and protein phosphorylation (hypothesis)
原 健一
1
,
北嶋 龍雄
2
Ken-ichi Hara
1
,
Tatsuo Kitajima
2
1山形大学工学部共通講座
2山形大学工学部電子情報工学科
pp.267-271
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900351
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.LTPとはなにか
1973年,海馬体において,興奮性シナプスの入力線維束を短時間に高頻度刺激をすると,シナプスの伝達効率の促進が長時間持続する現象が発見された1)。この現象は長期増強(Long Term Potentiation)と呼ばれている。その後,LTPに関する多くの研究が行われてきた結果,最近では,海馬だけではなく,大脳辺縁系や新皮質,さらに末梢の神経系でもこのような現象が観測されている2,3)。
LTPは,シナプスの伝達効率の促進が長時間持続するのみならず,次の性質をもつことから,学習や記憶の基礎過程として注目されている。
Copyright © 1992, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.