話題
ウッヅホール臨海生物学実験所の日々
竹田 俊明
1
Toshiaki Takeda
1
1自治医科大学第1生理学教室
pp.82-85
発行日 1981年2月15日
Published Date 1981/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903447
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
米国北東部のマサチューセッツ州の東南部に突出した小さな半島Cape Codの一端に位置するウッヅホール臨海生物学実験所(Marine Biological Laboratory,以下M. B. L. とする)は,ヤリイカの巨大軸索の使用で英国plymouthの臨海実験所と並んで興奮膜の生理学の進展の舞台となったところとして有名である。筆者は昭和54年8月から1カ年余り,M. B. L. にyear roundの研究室を構えるNational Institute of HealthのDaniel L. Alkon博士のもとに留学する機会に恵まれたので,M. B. L. の活動の概要とAlkon博士の研究室での活動について御紹介したい。
1888年創設になるM. B. L. の性格はユニークかもしれないM. B. L. はどこかの大学の付属の研究所といったものでなく,600人余りの科学者が所有する私的な法人組織なのである。従って会員の中から選出された執行委員会によって運営されている。広い敷地にそれぞれLillie,Whitman,Loebの名を冠する3棟の研究,教育棟と150人収容の宿舎,集会棟その他の施設を配している。全体で約140の実験室をもち,特に5月〜9月初旬の夏場に各地からの研究者が思い思いに実験室を借りて,新鮮な海の材料で研究していくのである。
Copyright © 1981, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.