口絵
よみがえる日々—国立武藏精神療養所
pp.2-4
発行日 1952年12月10日
Published Date 1952/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200409
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中央線国分寺駅からさらに小さな支線に沿つて,萩山という駅に降り立つと,殆んど人家も見受けられないほど森閑とした武蔵野に出る。過去とも……未来とも……常に狂つた時と,狂つた季節をしか知らぬ不幸な患者達を,この,武蔵野の自然は,静かに,あたゝかく抱きとめているようだ。白い本館と,芝生をかこむ数棟の病棟の他は,テニスコートや,野球場や,農耕地が広々と展開し,アフターケヤのリクリエーシヨンに,作業療法に,楽しい時を送る患者達の日々は,まさに,よみがえる日々である。
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