特集 化学浸透共役仮説
円卓討論
化学浸透共役仮説をめぐって
香川 靖雄
1
,
安楽 泰宏
2
,
二井 将光
3
,
星 猛
4
,
藤田 道也
5
1自治医大・生化
2東大・理・植物
3岡山大・薬・微生物
4東大・医・生理
5浜松医大
pp.274-311
発行日 1980年8月15日
Published Date 1980/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903401
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第1部 H+-ATPase
藤田(司会) 今日は「化学浸透共役仮説をめぐって」というかなり大げさなテーマを設けたわけですが,お集まりくださった方々は,世界的に見ても最前線というか,指導的な立場におられる研究者でして,こういう機会を持ちえたことはたいへん幸運だと思います。
Bioenergeticsというのは,電気自由エネルギー,化学自由エネルギー,浸透エネルギー,そういうものの変形・交換の起こる膜過程だというふうにいわれているわけですが,その中でも,プロトンの膜に関する非対称分布が中心的な現象となっているわけです。プロトン勾配の形成,およびそのADPのリン酸化と物質輸送への共役が主な問題です。
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