測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
酵素共役反応の組み立て
中 甫
1
1三井記念病院中央検査部
pp.946-954
発行日 1978年12月1日
Published Date 1978/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201744
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臨床化学分析に用いられる手法は近年著しい変遷を示し,多くの測定法が塗り変えられつつあることは周知のごとくである.特に基質に対して特異的に作用する"酵素"を試薬として用いて分析を行う,いわゆる酵素的測定法(Enzymatic Analysis)の急速な普及には目を見張るものがある.臨床化学分析法の成立の5条件,すなわち,①迅速性,②微量試料,③正確性(特異性も含む),④精密性,⑤簡便性,の諸条件を比較的満足させるとともに公害の少ない測定法として注目されることは当然のことと言えよう.しかし一方,実用面が先行し理論的検討がなおざりにされていることも否定できない.そこでこの機会に二,三の例を通して酵素的測定法の理論的背景について複雑な理論を可能な限り単純化して考えてみることにしたい.
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