談話 コンファレンス・ディナー研究集会
脳を創る(2)—創造過程—心理学の視点から
波多野 誼余夫
1
Giyoo Hatano
1
1独協大学教養部
pp.170-173
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903386
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私は心理学をやっておりまして,実際にものを創るということは,ほとんどないわけでございます。いま中野先生**が最後におっしゃいましたように,情報処理のレベルでプログラムができるということと,それから実際にそういう機構が物としてできるということは,分けて考えた方がいいかと思うんですが,私の方は,情報処理のレベルでいっても,少なくとも,今の最も進んだコンピューターのプログラムでも,どうも人間のようにはいかんというお話をしまして,こちらは悲観論でいこうかと思っております。もちろん,プログラムは,人間の知的行動の所産と,一見したところ「紙一重」の差しかないものを生み出すのですが,この紙一重の差が実際には越えがたいものだというのが話の主旨であります。
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