特集 細胞表面と免疫
特集「細胞表面と免疫」によせて
山本 正
1
1東京大学医科学研究所
pp.197
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903054
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
"生体の科学"の編集陣はなかなか味のあることを企画する。本来なら本文はその編集陣がこの特集を組んだ意図を明らかにしてみせるところであるのに,筆者に何か書けと命ずるのである。免疫学も変わつたが編集陣も変わつたというべきである。
免疫学が変わつたのは,まずはその免疫細胞学的研究の飛躍的進展によるものということができようか。免疫化学が主力をそそいだ抗体グロブリンを含めて体液中の生体分子は所詮いずれかの生体細胞の産生したものである。その意味からは抗体産生細胞としてのプラズマ細胞などに集中し,その抗体産生機構をめぐる問題を取り扱うのも一つの方向であつたろう。しかしそれはバクテリアなどを中心に進展した分子生物学の延長線にあるものと評されたかも知れない。
Copyright © 1975, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.