Japanese
English
解説
タバコモザイクウイルスの形態形成
Assembly process of tabacco mosaic virus (TMV)
岡田 吉美
1
Yoshimi Okada
1
1東京大学理学部生物化学教室
pp.230-238
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902996
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はじめに
タバコモザイクウイルス(TMV)は,近代生物学の分野でつねにパイオニア的役割を果たしてきた系である。
1935年,Stanleyは初めてTMVを純粋な形で取り出すことに成功した。ウイルスが,初めて化学物質として単離された歴史的実験である。続いて1937年,BawdenとPirieが,TMVにはタンパク質のほかにRNAも含まれることを見出した。こうしてウイルスの化学的本体が明らかになり,生物としての性質のいくつかをもつウイルスが,化学者や物理化学者の研究対象になりうることが示された。
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