特集 生体の科学 展望と夢
座談会
生体の科学の将来を語る
名取 礼二
1
,
江橋 節郎
2
,
上代 淑人
3
,
浜 清
3
,
伊藤 正男
4
1東京慈恵会医科大学生理学
2東京大学医学部薬理学
3東京大学医科学研究所
4東京大学医学部生理学
pp.2-20
発行日 1974年2月15日
Published Date 1974/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902974
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伊藤(司会) 生体の科学の将来を語るということで,あまり固苦しくお考えにならずに,この分野の学問がいままでどうであつたか,現状はどうか,将来はどうしたらいいのかというようなことを,自由な立場でお話し合い願いたいと思います。
よくいわれることですが,研究者は,いつも明暗の境に位置している。後ろはばかに明かるくて,物事ははつきりしているけれども,前は真つ暗で何もみえない。しかし,そこを少しずつでも進んでいかなくてはいけないという,はなはだ辛い運命を背負わされております。そういう立場にいて過去に明らかになつたことを一生懸命体系化し,これを手懸りにする。そしてその上に立つて未来を展望する,ということをしよつちゆう繰り返しているわけです。
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