Japanese
English
特集 代謝と機能
糖質栄養の問題
Aspect on carbohydrate nutrition
細谷 憲政
1
Norimasa Hosoya
1
1東京大学医学部保健学科保健学栄養学研究室
1Nutritional Laboratory, School of Health Sciences, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.301-305
発行日 1970年8月15日
Published Date 1970/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902860
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在来の栄養学は個人を対象とし,一方摂取する食品の構成に重点が置かれていた。食品の構成素である糖質,脂質,蛋白質の代謝は,一般生化学の急速な進歩にともない,細胞内での代謝過程は十分に解明されmetabolic mapが画かれている。しかしながらmetabolic mapは細胞内における代謝路線の地図であつて,こねを持つて構造的にも複雑な人体の生理現象を直接的に説明しようとすることは危険なことであろう。
細胞のより集つてできる組織は組織それ自身の固有な化学的組成と機能とを持つており,組織はさらに臓器を形成して生体における生理現象の一部を分担している。臓器の機能は臓器それ自身の代謝活性に依存するが,ある臓器と他の臓器との相互の代謝の様相は神経やホルモンの作用によつて調節され,生体が環境に順応するよう合目的に働いている。
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