解説講座
Renin-Angiotensin系(2)
曾我部 博文
1
,
福地 総逸
2
,
今井 正
3
1東邦大学医学部薬理学教室
2東北大学医学部鳥飼内科
3東京大学医学部小児科学教室
pp.270-278
発行日 1969年12月15日
Published Date 1969/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902824
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□比較生理学□
曾我部 それからこれも決して腎外reninの意義にきつかけを与えるデータではないのですが,私のところで魚を使つているものですから,魚の奇妙な腎外reninについて話します。
魚は腎臓の近くに非常におかしな,小さな器官を持つているのです。それはStannius小体と呼ばれ,非常に小さな直径約数mmから1mm以下のものです。それが何をやつてるかということは,昔,魚の学者の間では問題になつていて,いろいろなことが言われているのですけれども,最近ウナギのStannius小体にreninがあるのだといわれたわけです。初めはウナギの場合だと腎臓の中に埋まつてますから,回りの組織を一緒にとつてきたartifactではないかと思つていたのですけれども,ちやんとそれだけ取り出せる種類で測つてみると,やはりrcninが濃度にすると,だいたい腎臓と同じぐらいにあるのです。もちろん大きさが小さいですから,全量では腎臓の1%以下ですけれども……ですからこんなところにreninがあるとは一体何をしているのか,皆目わからないということです。
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