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ポリオとハエ
甲野 禮作
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1公衆衞生院衞生微生物學部
pp.22-24
発行日 1952年9月15日
Published Date 1952/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201099
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ハエがポリオを媒介するのではないかということを最初に説えたのはFlexner1)(1911年)でポリオ・ビールス發見後わずか3年目のことであつた。Flexnerはイエバエ(Musca domestica)にポリオ・ビールスで感染させたサルの脊髄を餌に與えると48時間後迄にビールスが體内に存在することを證明した。1912年にHoward及びClark2)も同樣の實驗を行つた。又同年Rosenau3)Anderson Frost4)はサシバエ(Stomxys calcitrans)が實驗的にポリオ・ビールスを保有することをみた。ハエ媒介説はその後餘り顧みられなかつたが,1936年頃から糞便にポリオ・ビールスが排泄されることが分り,屎にむらがるハエとポリオとの關係が再び注目をひくようになつた。
1941年以降,Paul5),Trask6),Melnick7),Sabin8),Ward, Francis11)等によつて相次いで流行地でとらえたハエからポリオ・ビールスが分離された。これを一覧表に示すと第1表の如くになるこれからみるとクロキンバエ(Phormia regina),ヒロズキンバエ(Phaenicia serieata),イエバエ(Musca domestica),ニクバエ類(Sarcophaga spp,)などからビールスを分離することが多く,ハエの體の内部からも,外表の洗滌液からも得られている。
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