Japanese
English
主題 視覚
光量子・感度・順応
Quanta, Scnsitivtiy and Adaptation
中 研一
1
Ken-Ichi Naka
1
1塩野義製薬株式会社研究所
1Shionogi Research Laboratory, Shionogi & Co., Ltd.
pp.126-138
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902727
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1953年にGunner Svaetichin36)は淡水魚網膜より光に反応する電位を記録した。この電位は後に本川弘一教授により,"S-電位"と名づけられ,過去十数年間視覚生理,特にわが国でのこの方面の研究の一つのトピックであつた。この電位は,神経にみられる反復興奮するパルス状のスパイクとは異なり,刺激によるd. c. レベルの変化であり,緩電位(slow potential)と呼ばれるものである。しかし,その大きさは数10mVで,網膜電図(ERG),脳波(EEG)といつた容量導体(volume conductor)から記録される電位とは全く性質を異にするものである。この電位は後にGrusser(1957)10)およびBrown & Wiesel(1959)4)により猫で,Nakaら(1960)19)により蛙でも記録されていることからみて,脊椎動物網膜に広くみられるものであろう。
S-電位に関するこれまでの研究は主としてつぎの二点にしぼられてきた。
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