Japanese
English
主題 視覚
視物質の生化学
Biochemistry of Visual Pigments
吉澤 透
1
Tōru Yoshizawa
1
1大阪大学理学部生物学教室
1Department of Biology, Faculty of Science, Osaka University
pp.67-80
発行日 1967年4月15日
Published Date 1967/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902719
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視覚興奮の初期過程の解析において,最も興味ある問題の一つは,視物質がどのような機構で光のエネルギーを電気的なエネルギーに変換し,神経細胞に興奮を伝達するかということである。この問題の全貌を理解するには,現在のわれわれの知識はあまりにも貧困であるといわねばならない。しかしながら,過去10年間に蓄積された視物質の生化学的な研究は,その再生ならびに退色過程の機構に対して,かなりの程度まで論じられるようになつてきた。一方,網膜の電気生理学的な研究は視細胞そのものから発生すると思われる電位変化の記録に成功し,かような電位変化が視物質の退色過程のいかなる段階から発生するものであるか論じられてきている。ここではまず視物質の基礎的な性質を記述し,その再生と退色の機構について論述してみたいと思う。
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