Japanese
English
総説
てんかんの臨床生化学—特に神経伝達物質について
Clinical biochemistry of epilepsy:Specially regarding to neurotransrnitters.
森 昭胤
1
Akitane Mori
1
1岡山大学医学部脳代謝研究施設・機能生化学部門
1Department of Neurochemistry,Institute for Neurobiology, Okayama University Medical School
pp.1129-1136
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205035
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はじめに
てんかんは大脳基因の病態であり,過興奮状態にある神経細胞群の過剰発射に基づくものであるので,てんかんの生化学的発現機構の研究対象は当然のことながら,大悩のてんかん焦点組織であろう。しかしながら,ヒトのてんかん焦点についての研究は,大脳半球焦点切除術の際得られる組織片について行う以外に方法がないが,手術症例のきわめて少ないことおよび脳外科医と生化学者との密接な共同研究体制が必要なことなどの理由で,直接,てんかん患者脳を試料とする生化学的アプローチはほとんど行われていない現況である。
従つて,現在進められているてんかんの発現機構に関する生化学的研究は大部分が,実験的てんかんモデルを用いるものであるが,当然のことながら,てんかん症状の指標はけいれんあるいは脳波記録などによるてんかん放電となる。
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