Japanese
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特集 脳の発達に関与する分子機構
脳の発達におけるグリアの役割
Roles of neuroglia in brain development
山田 恵子
1
,
渡辺 雅彦
2
Keiko Yamada
1
,
Masahiko Watanabe
2
1日本学術振興会
2北海道大学大学院医学研究科生体構造解析学分野
pp.240-244
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902276
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グリアはニューロンとともに神経系を構成する細胞である。中枢神経系のグリアは,ニューロンの細胞体やシナプス・血管・脳表面を被覆するアストロサイト(星状膠細胞),髄鞘を形成するオリゴデンドロサイト(稀突起膠細胞),損傷時に活性化して食作用を発揮するミクログリア(小膠細胞)に大別される。近年の研究により,グリアは生理活性物質を産生し,神経伝達物資の受容体やトランスポーターなど種々の機能分子を発現することが明らかになってきた。現在,グリアは単なる支持組織ではなく,脳のあらゆる機能側面においてニューロンの親密なパートナーとして認識されるようになった1)。
成熟神経系におけるグリアには栄養因子の供給をはじめ,脳内環境の維持,シナプス伝達の修飾,電気的絶縁など多様な機能が知られている。一方,発達神経系では,放射状グリアによるニューロン移動のガイド2),アストロサイトによる軸索走行のガイド3),髄鞘形成細胞によるイオンチャネルのクラスタリング作用4),軸索径の増加作用5)などの機能が報告されている。また,ある種のグリアは神経幹細胞としての特性をもち,グリアだけでなくニューロンも産生する可能性が指摘されている6,7)。
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