特集 病気の分子細胞生物学
8.代謝・栄養障害
リドル症候群
田村 博之
1
,
丸茂 文昭
1
Hiroyuki Tamura
1
,
Fumiaki Marumo
1
1東京医科歯科大学医学部第二内科
pp.464-465
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901766
- 有料閲覧
- 文献概要
[疾患概略]
リドル症候群は1963年にLiddleらによって,偽性アルドステロン症として報告された症候群である1)。
その特徴は,(1)家族性(常染色体優性遺伝)の高血圧症で,高度の高血圧が若年(10歳代)より発症し,腎硬化症・腎不全になる例もある。(2)検査所見はレニン・アルドステロン低値,Kの排泄増加による低K血症,Hの排泄増加によるアルカローシスを呈する。(3)下垂体―副腎皮質系は正常である。(4)アルドステロン合成阻害薬やアルドステロン拮抗薬には全く反応しない。(5)尿細管でのNaの輸送を阻害するトリアムテレンで正常化する,というものであった。これらの結果から,リドル症候群の病因は遠位尿細管のNaチャネルの異常であると考えられた。
Copyright © 1999, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.