特集 病気の分子細胞生物学
2.呼吸器疾患
生後呼吸困難症候群
黒木 由夫
1
Yoshio Kuroki
1
1札幌医科大学医学部生化学第一講座
pp.404-405
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901743
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[疾患概略]
生後呼吸困難症候群では,肺サーファクタントの量的および質的機能不全のために,出生直後から重篤な呼吸困難をきたす。肺の未熟性のために肺サーファクタントが一次的欠乏を生じる疾患が新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome;RDS)で,肺サーファクタント特異蛋白のSP-Bの遺伝子異常に起因する重篤な呼吸障害を呈するのが先天性SP-B欠損症である。未熟児に見られるRDSでは,人工サーファクタント補充療法が効を奏するが,満期産児に多い先天性SP-B欠損症に有効な治療法はなく,致死的である。
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