特集 多胎児を診る
3.双胎間輸血症候群における生後の問題と管理
細井 健一郎
1
,
楠田 聡
1
1杏林大学医学部小児科
キーワード:
MD双胎
,
TTTS
,
供血児
,
受血児
,
PVL
Keyword:
MD双胎
,
TTTS
,
供血児
,
受血児
,
PVL
pp.25-31
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001156
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双胎間輸血症候群は,供血児と受血児で羊水過小と羊水過多,貧血と多血などの異なる病態を呈し,進行すれば胎内で死亡することもある重篤な疾患である.供血児に貧血や低血圧を認めれば,輸血や昇圧剤による血圧の維持が重要である.一方,受血児に多血や高血圧,心不全を認めた場合でも,出生後に多尿となって血圧が大きく変動することがあり,状況に応じて適切な治療方針を立てることが求められる.とくに脳室周囲白質軟化症の発症が多い疾患であることから,神経発達予後に大きく影響する胎児期,および新生児期の循環管理がきわめて重要となる.双胎であることから,退院後も育児サポート環境の整備が必要となる.
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