Japanese
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特集 プロテインキナーゼCの多様な機能
PKCに結合する薬剤
PKC activators and inhibitors
柴﨑 正勝
1
,
魚津 公一郎
1
Masakatsu Shibasaki
1
,
Koichiro Uotsu
1
1東京大学大学院薬学系研究科有機合成化学講座
pp.290-295
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901590
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西塚らにより発見されたプロテインキナーゼC(PKC)1-3)は,発がんプロモーターとして知られていたホルボールエステルに直接結合し活性化されることが明らかにされ4),ホルボールエステルはPKCに関連する研究において広く用いられている。活性化剤であるホルボールエステルとともに,PKC阻害剤もPKCに関する研究で活発に用いられてきた。それら阻害剤の多くはプロテインキナーゼAなど他のキナーゼとの特異性が潜在的な問題として挙げられ,その問題点を克服するための阻害剤の改良の試みが種々検討されている。また,発見当初は単一の分子種と考えられていたPKCは,現在では10種以上のサブタイプの存在が知られており,各サブタイプはそれぞれ固有の役割を担っていると考えられている。しかしながら,サブタイプ選択的なPKC阻害剤および活性化剤はほとんど知られておらず,既存の阻害剤/活性化剤の改良,および新しいアプローチによるサブタイプ選択的阻害剤/活性化剤の開発が今後の課題である。サブタイプ選択的なPKC阻害剤の開発は,各サブタイプの役割を明らかにするのみならず,発がんメカニズムの解明,および有用な医薬の開発へ発展することが期待される。
本稿では,これらPKC活性化剤/阻害剤の開発に関する最近の動向を述べるとともに,われわれのグループで行っているPKCのレギュレートリードメインに作用する阻害剤開発の試みについても述べる。
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