Japanese
English
特集 プロテインキナーゼCの多様な機能
骨芽細胞におけるPKC
PKC in osteoblasts
小澤 修
1
,
徳田 治彦
2
Osamu Kozawa
1
,
Haruhiko Tokuda
2
1岐阜大学医学部薬理学講座
2国立療養所中部病院内科
pp.269-273
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901585
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骨は身体の骨格,カルシウムの貯蔵庫および造血の場としての骨髄腔の構成という生体の機能維持において大変重要な役割を果たしている。そのため骨のリモデリングは絶えず活発に行われており,骨量は骨吸収とそれにカップルして生じる骨形成の平衡の上に維持されている。これまで機能的に休止していると考えられていた骨細胞(osteocyte)が,最近メカニカルストレスに鋭敏に応答することが報告されたが1,2),基本的には骨代謝は2種類の機能細胞,すなわち骨芽細胞(osteoblast)および破骨細胞(osteoclast)により営まれている3)。これら2種の細胞が互いに複数の液性因子およびcell-to-cell contactによって機能調節され,制御されると考えられている。
骨芽細胞は骨形成を,破骨細胞は骨吸収を担当しているが,近年,副甲状腺ホルモンやビタミンD3をはじめとする多くの骨吸収因子の受容体が破骨細胞ではなく骨芽細胞に見出され,骨芽細胞が破骨細胞の分化・形成を制御調節し,骨リモデリングおよび骨代謝における中心的役割を担っていることが明らかとなってきた3,4)。種々の骨代謝調節因子は骨芽細胞の受容体に結合し,さまざまな細胞内情報伝達機構の活性化を惹起し,その作用を発揮する。
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