特集 受容体1997
Ⅱ.Gタンパク質共役型受容体
1.神経伝達物質・ホルモン
2)ペプチド
ソマトスタチン受容体
尾藤 晴彦
1
Haruhiko Bito
1
1京都大学大学院医学研究科高次脳科学講座神経・細胞薬理学教室
pp.407-409
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901234
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ソマトスタチン(somatostatin)は,別名SRIF(somatotropin release-inhibiting factor成長ホルモン放出抑制因子)といい,下垂体からの成長ホルモン産生を抑制する生物活性として同定・精製されたペプチドホルモンである1)。その受容体については,以前から薬理学的に複数存在することが示唆されていたが,最近のクローニングにより受容体の多様性が確認されるとともに,その多彩な生物作用が再び注目されている。
[サブタイプ]山田,清野らによりクローニングされて以来2),現在までのところ,ソマトスタチン受容体sst(またはSSTR)には,sst1-5の五つの分子種が単離同定されている。すべて7回膜貫通G蛋白共役型受容体ファミリーに属しており2-4),サブタイプ間では,sst2,sst3,sst5(約50-54%)とsst1,sst4(約57%)が互いに相同性が高い(図1)。前者はソマトスタチンアナログ応答性のSRIF1型受容体に,また後者はアナログ不応答1生のSRIF2型受容体にそれぞれ対応している。
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