今月の主題 消化管ホルモンの基礎と臨床
エンサイクロペディア
ソマトスタチン
澤野 眞二
1,2
1虎の門病院内分泌代謝科
2朝日生命成人病研究所
pp.2222-2223
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216318
- 有料閲覧
- 文献概要
化学構造,分子量
Guillernin一派によってヒツジ視床下部から単離されたtetradecapeptide1)で,そのアミノ酸配列を図に示す.分子式はC76H104N18O19S2で,分子量は1637.92である.ソマトスタチン(Somatostatin)のほかに,Somatotropin-release inhibiting factor(SRIF),Growth hormone-release inhibiting factor(GIF),Growth hormone-release inhibiting hormone(GH-RIH)とも呼ばれている.
免疫学的に識別し得ないソマトスタチン様物質は,中枢神経系,脊髄,下垂体後葉,甲状腺,膵臓,胃,十二指腸,小腸,大腸,唾液腺,妊娠初期胎盤などに存在しているが,本年(1979年)になって,ハト膵ソマトスタチン様物質はヒツジ視床下部ソマトスタチンと同一物質であること,および分子量約12,000の大分子ソマトスタチン様物質の存在することが明らかにされた.また,ブタ上部消化管からは,ソマトスタチンのアミノ鎖のN端に,さらに7個のアミノ酸がつき,そのN端がserineであるペプチドがとり出されている.これらは,おそらくソマトスタチンの前駆体あるいは貯蔵型である可能性が強い.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.