特集 器官―その新しい視点
5.泌尿器
腎臓:髄質
佐々木 成
1
Sei Sasaki
1
1東京医科歯科大学医学部第二内科
pp.424-427
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901124
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ポイント 尿濃縮に関わる膜輸送体の同定
腎臓の最も基本的機能の一つが高張尿の作成である。この機能獲得により動物は水保持が可能となり,乾いた陸上への進出,すなわち陸生動物の誕生へとつながった。この尿濃縮には腎臓髄質の存在が不可欠である。腎臓髄質での高浸透圧の形成と,そこを貫く集合管での水再吸収により尿は濃縮される。近年髄質に存在し,この一連の過程に関与する膜輸送体が多数クローニングされている。この結果,今まで生理的な解析が主だった尿濃縮がその構成蛋白の面から解析できるようになってきている。本稿では,この新しい局面を紹介する。
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