文献抄録
腎髄質石灰化像
pp.21
発行日 1972年1月20日
Published Date 1972/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201315
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1936年Randallは腎乳頭部の石灰化が結石となるとの仮説をたてたが,その後McDonald,Vermootenらはこの現象は腎結石と無関係にほとんどの腎に発見されることを報告している。著者らはこの点について光顕的・電顕的に検討を加えて報告している。被検腎は無作意的に撰択した剖検100例の腎について行なつたもので,男性55例,女性45例で,年齢は18歳から91歳までのものである。
結果についてみると乳頭部にRandalls plaquesを認めたもの23例,腎杯に結石をみたもの7例,この両者が同時にみられたもの4例であつた。しかし,全症例の腎間質と集合管基底膜にbasophilicの沈着物をみとめ,これを強拡大でみると小球石の集合体であり,さらにアルザニンレッド染色でみるとbasophi-licの沈着物はカルシウムであることを認めた。
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