特集 器官―その新しい視点
2.呼吸器
肺
須加原 一博
1
Kazuhiro Sugahara
1
1熊本大学医学部麻酔学教室
pp.382-385
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901115
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ポイント 肺胞上皮細胞と病変修復
肺病変の修復・改善には,肺胞表面の再上皮化が不可欠であり,肺の線維化をいかに防ぐかが重要である。肺は,多くの障害に対して肺胞Ⅱ型上皮細胞の増殖と肺サーファクタントの合成促進という共通反応を示し,病変を軽減・修復しようとする。肺胞Ⅱ型上皮細胞の増殖因子として,最近keratinocyte growth factor(KGF)やhepatocyte growth factor(HGF)が注目されており,これによる肺障害の軽減効果・予防効果も報告されて,新しい治療への道が期待される。
肺サーファクタント・アポ蛋白質についての機能解析も進み,新たに生体防御機構や表面活性機能発現上での重要性が証明されるとともに,細胞特異的遺伝子のプロモータ領域における調節機構が解明されてきている。
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