特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
3.マウス・ラツト
一般行動の評価
栗原 久
1
1群馬大学医学部附属行動医学研院施設行動分析学部門
pp.420-423
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900770
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目標
行動とは,生体に加えられた外部環境の変化(刺激)と生体機能の相互作用によって表に現れる生体丸ごとの動きを意味している(図1)。生体内では脳機能が行動発現の中心的役割を果たしているが,刺激を受ける感覚機能および行動を表現する運動機能も重要である。しかし,動物行動といっても多種多様で,それらのすべてを網羅する観察を実行することは事実上不可能である。観察の簡便さと密度は相反する傾向があるので,実際の実験では両者を天秤にかけ,どちらかを優先させなければならない。
一般行動の評価は,観察密度は低いが,簡便な方法によって動物の徴候あるいは症状を大まかに把握し,その原因を追及する手掛かりをつかむことを主要目的にしている。さらに,引き続いて行われる精密検査における観察項目を選択するための情報を得ることにも利用される。
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