特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
1.ネコ
前肢のリーチング
伊佐 正
1
,
北澤 茂
2
1群馬大学医学部第二生理学教室
2電子技術総合研究所情報科学部脳機能研究室
pp.404-405
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900764
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目標
前肢のリーチング(目標到達運動)は,複数の関節に作用する多くの筋の協調した制御が必要とされる随意運動の一例である。自由度の多い運動系だが,軌跡の正確な定量化が可能である。ネコにおいては,この運動を制御する神経回路とその局所破壊の効果について多くの知見が蓄積されている2,3)。したがって,ネコを用いてリーチング時の前肢の軌跡の種々のパラメーターを定量化して解析し,関与する神経回路の局所破壊や単一細胞活動記録と対応させて研究を進めることにより,随意運動を制御する中枢神経系の機能と構造を関連づけて理解することが可能である。
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