特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
1.ネコ
歩行の適応
柳原 大
1
1大阪大学健康体育部運動生理学教室
pp.402-403
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900763
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目標
歩行中に外乱を加えるとそれに対する四肢の協調的反射性応答が生じるが,この応答は生後発育発達の過程にて獲得されると考えられる。ここでは流れベルト上で自発歩行している除脳ネコの一側前肢に外乱を毎歩与えることにより,一過性に肢問協調がくずれるが,歩行を継続していく過程で適応的肢間協調が生じるという学習パラダイムを紹介する1)。この適応の成立には,小脳における一酸化窒素を介するシナプス可塑性が重要な役割を有している2)。
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