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特集 グルコーストランスポーター
小腸上皮細胞におけるグルコース輸送担体
Glucose transporter in intestinal epthelial cells
宮本 賢一
1
,
南 久則
1
,
武田 英二
1
Ken-ichi Miyamoto
1
,
Hisanori Minami
1
,
Eiji Takeda
1
1徳島大学医学部病態栄養学教室
pp.38-41
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900699
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食物あるいは飲物を通して摂取された糖質は中間消化をうけた後,小腸上皮細胞での終末消化によっておもにグルコース,ガラクトース,およびフルクトースに分解されたのち吸収される。グルコースおよびガラクトースの刷子縁膜での吸収は,濃度勾配に逆らうNa+イオンに依存した2次性能動輸送系により行われる。この輸送系に関与する輸送担体は,Na+/グルコース共輸送担体(SGLT1)とよばれる。さらに経細胞内輸送を経て基底膜に運ばれた単糖は,広い基質特異性をもつ肝型グルコース輸送担体(GLUT2)により毛細管へ輸送される。一方,これらとは別にフルクトースの輸送には,刷子縁膜に存在する小腸型グルコース輸送担体(GLUT5)が関与していることが示唆されている。
このように,小腸上皮細胞における各グルコース輸送担体の役割が次第に明らかにされてきた。本稿では,小腸上皮細胞における各グルコース輸送担体に関して,われわれの最近の知見を示して現状を概説する。
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