今月の主題 皮膚科と臨床検査
総論
先天性皮膚疾患の遺伝子検査
濱田 尚宏
1,2
,
橋本 隆
1
Takahiro HAMADA
1,2
,
Takashi HASHIMOTO
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室
2公立八女総合病院皮膚科
キーワード:
単一遺伝子異常
,
PCR法
,
シークエンス法
,
出生前診断
,
倫理
Keyword:
単一遺伝子異常
,
PCR法
,
シークエンス法
,
出生前診断
,
倫理
pp.845-853
発行日 2006年8月15日
Published Date 2006/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100679
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近年の分子生物学の進歩により,単一遺伝子異常により生じる数多くの先天性疾患の原因遺伝子が明らかにされてきた.皮膚科領域もその例外ではなく,DNAを用いたPCR法とシークエンス法などにより次々と疾患の遺伝子異常が報告されている.膨大なデータの蓄積により,遺伝子異常の部位・種類と臨床的重症度との相関などを検討できる疾患も認められるようになってきた.また,妊娠早期の絨毛膜や羊水から採取した胎児由来のDNAを用いた出生前診断も可能になっている.しかし,医学的倫理や検査可能な施設が限られることなど,現時点で多くの問題が残されているのも事実であり,今後も十分な検討が必要と考えられる.〔臨床検査 50:845-853,2006〕
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