特集 現代医学・生物学の仮説・学説
7.疾病
精神分裂病
融 道男
1
,
青木 淳一
1
1東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室
pp.598-599
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900659
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概説
精神分裂病は,一般成員中の発現率が0.85%ときわめて高く,青年期に発症し,約半数のものは自然の経過,あるいは抗精神病薬によく反応してほぼ元の人格に復するが,残る半数は再発を反復しているうちに人格に変化をきたしたり,あるいは病初期から進行性に推移し,難治性の慢性病像にいたる。
前者は,たとえばCrowの第Ⅰ型(陽性症状を主とする)に対応し,抗精神病薬によく反応することから,最も有名な仮説「ドーパミン過剰仮説」が適用されよう。後者の陰性症状を主とする第Ⅱ型について,あとに述べるように,グルタミン酸が関与する仮説などが提案されている。
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