特集 現代医学・生物学の仮説・学説
5.神経科学
夢見
鳥居 鎮夫
1
1東邦大学
pp.554-555
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900641
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概説
私たちの眠りの中に,夢を見る眠り(レム睡眠)があるとわかったことは,夢の研究では,精神分析に次ぐ大発見であるといわれている。まったく夢を見ないと確信していた人たちは,誰でも夜中に何回も夢を見ることを知ってたいへん驚いたのである。フロイトは夢を見ない睡眠が唯一最良のものであると述べているが,レム睡眠の発見によって,それが正しくないことがわかった。しかし,レム睡眠の発見は,科学者たちに脳過程と心理過程とを結びつけて研究することを可能にした。睡眠中の心の状態は睡眠中の脳の状態と対応していることが示されたからである。
ここではいろいろな夢見理論のなかから,私が直接関与したものに焦点をあてて紹介しよう。
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