特集 現代医学・生物学の仮説・学説
2.分子生物・遺伝学
染色体異常
田中 修
1
1島根医科大学第一解剖学教室
pp.468-469
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900610
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概説
ヒトの染色体の形態学的研究は,メンデルの法則の再発見(1900)の前の1882年にFlem-mingが,角膜上皮の細胞分裂において22-28の染色体を示す細胞を記載したことに始まる。1903年,Suttonはバッタの研究により遺伝における染色体の重要性を示した。ヒトの核型に関する研究が進むとともに,ダウン症(1866,1959),ターナー症(1938),クラインフェルター症(1942)などのいわゆる染色体異常症候群が発見された。
染色体異常の解析は,1970年前後に各種分染法が相次いで開発されたことにより,個々の染色体の詳細な分析が可能となり,転座,欠失,重複などの異常に関連した遺伝子の単離が行なわれるなど,いちじるしく進歩した。
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