特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅳ.筋細胞株
横紋筋細胞
ヒト横紋筋肉腫:SCMC-MM-1-19P
細井 創
1
1京都府立医科大学小児科
pp.492-493
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900477
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■樹立の経緯
細胞株SCMC-MM-1(以下MM-1;図1A)は,「横紋筋への分化傾向を示す悪性間葉腫」と診断された11ヵ月女児の腹部腫瘍から,埼玉小児医療センター林泰秀博士(現,東京大学小児科)により,染色体分析を目的に樹立された。SCMCは,Saitama Children's Medical Centerの略,MMは,malignant mesenchymomaの略である。この細胞株は,①免疫組織化学的にvimentin陽性で,電顕的に特徴的な構造物をもたない小型の多形性細胞small polygonal cells(P型細胞)と,②免疫組織化学的にdesmin,α-sarcomeric actinとskeletal myosin陽性で,電顕的にthick and thin filaments,類Z帯構造物などをもつ大型の管様細胞giant tubular cells(T型細胞)の2種の細胞からなる。著者は,これら2種の細胞(とくにP型細胞)の特性を調べるため,親株MM-1を軟寒天培地でクローニングし,P型細胞クローン株SCMC-MM-1-19P(以下MM-1-19P;図1B)を樹立した1,2)。
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