特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅰ.上皮細胞株
消化器系上皮細胞
大腸上皮細胞
ヒト大腸癌:LoVo
斎藤 英胤
1
1慶應義塾大学医学部消化器内科
pp.380
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900387
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■樹立の経緯
LoVo細胞株は56歳男性,大腸癌患者の左鎖胃上窩転移リンパ節(adenocarcinoma)より,切除1時間以内に1mm角ほどに細切した組織を20% fetal calf serum(FCS)を含むHam's F-12培養液中で培養して得られた細胞株である。詳細は樹立者であるTexas大学のDrewinkoらがCancer Research(36:467-475,1976)に報告している。彼らは腫瘍免疫と細胞周期の研究のため,共著者の外科医であるRomsdahlらとチームを組み,1970年から大腸癌細胞株の樹立をめざしていたと記している。彼らはこの発表まで約2年間の継代培養を繰り返している。命名の根拠に関しての記載はない。
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