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特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅰ.レセプターに作用する薬物
カンナビノイド受容体
Cannabinoid receptor
大石 了三
1
Ryozo Oishi
1
1岡山大学医学部薬理学教室
pp.398
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900232
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「概説」
マリファナの主成分⊿9-tetrahydrocannabinol(⊿9-THC)の作用機序として特異的受容体に対する作用であるという考えと吸入麻酔薬のように非特異的に膜に結合し膜構造を変化させるという考え方があった1)。しかし,いろいろなカンナビノイド化合物がadenylate cyclase活性を抑制し,その効果が鎮痛効果と相関し,立体特異性も認められること,さらにその作用がGiによって媒介されることが明らかとなり特異的受容体の存在が強く示唆されるようになった2)。
⊿9-THCをリガンドとした受容体結合実験は成功しなかったが,強力なカンナビノイド化合物CP-55,940をリガンドとして特異的な高親和性結合部位が明らかとなった。ラット大脳皮質P2 membraneに対する[3H]CP-55,940の特異的結合は飽和性を示し,Kd=133pM,Bmax=1.85pmole/mg・proteinである。GppNHpは[3H]CP-55,940結合の解離を促進する。また,この結合はNa+およびK+により減少し,Ca2+,Mg2+により増加する。
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