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特集 がん遺伝子の発見は現代医療を進歩させたか
Ⅰ.がん遺伝子研究の新しい展開
KIT遺伝子異常の発見はGIST診療を変えた
The discovery of KIT mutations changes clinical practice in GIST
西田 俊朗
1,2
Nishida Toshirou
1,2
1地域医療機能推進機構大阪病院
2国立がん研究センター中央病院
キーワード:
消化管間質腫瘍
,
チロシンキナーゼ
,
分子標的治療
,
薬剤耐性
,
希少がん
Keyword:
消化管間質腫瘍
,
チロシンキナーゼ
,
分子標的治療
,
薬剤耐性
,
希少がん
pp.336-339
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201704
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消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor;GIST)は,消化管壁内に発生するKITやDOG-1タンパク質を発現する紡錘型,あるいは類上皮型の腫瘍細胞から成る間葉系腫瘍である。臨床的に悪性の経過をたどるものは肉腫で,臨床的GISTの発症頻度は,人口10万人当たり1.0人/年程度である。食道から肛門までのすべての消化管の主に筋層(まれに粘膜下層)に発生し,胃が60-70%と最も多く,次に小腸(20-30%),大腸(主に直腸:5%),食道(5%以下),その他消化管外(5%以下)である1,2)。発症年齢の中央値は60歳代であるが,小児期にもまれに発症する。成人GISTの多くはKIT・PDGFRA遺伝子変異を持つGISTで,小児・AYA世代に発生するGISTにはSDH遺伝子変化を伴うGISTが多い1,2)。
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