Japanese
English
特集 クロマチンによる転写制御機構の最前線
Ⅴ.クロマチンと転写制御に関する新技術
転写制御を可能にする人工細胞核の構築
Construction of the artificial nucleus with transcriptional activity
原口 徳子
1
,
山縣 一夫
2
Haraguchi Tokuko
1
,
Yamagata Kazuo
2
1大阪大学大学院生命機能研究科
2近畿大学生物理工学部
キーワード:
人工核
,
核膜形成
,
核移行能
,
転写
,
初期胚
Keyword:
人工核
,
核膜形成
,
核移行能
,
転写
,
初期胚
pp.266-270
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201687
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細胞核はDNAを内包し,その遺伝情報を転写することで生命活動を支える,生命活動のまさに“核”となる細胞小器官である。核膜は,二重膜構造と核膜孔複合体の存在によって,細胞質と隔離した空間をつくり出し,かつ必要なタンパク質を適時的に核内に取り込む機能がある。その機能によって,細胞核は,転写に必要な因子を適量・適時的に保持することにより,転写量を調節することが可能となる。このような空間を人工的につくり出すことができたら,転写制御を思うがまま自由自在にできるはずである。「転写可能な人工細胞核をつくる」という夢のような技術開発に向けて,その歴史的な背景と現在の進捗状況について概説する。
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